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ある主婦の徒然草

図書館大好き主婦の読書メモと日々の記録

望みを叶えるための代償

サルーテ!は乾杯か…こちらは猿の手✋🐵
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イヤミスの帝王、イヤバイブル的な存在の『猿の手』。
確か道尾さんの作品でも、『怖い絵』の中野さんの解説でも出てくるので、
ずっと気になっていた。

またまた次男坊の英会話教室から借りてきましたよ。
エレファントマンと同じく、簡単な英語で書かれているから内容がすんなり入ってくる。

内容はこんな感じ。

ある雨の夜、ホワイト一家ソフトバンクじゃないよ!)の老夫婦とその息子は客人を招いて団らんしていた。
その話題の一つに、”猿の手”があった。
何でも客人が戦争でインドにいたとき譲られた物だという。
この”猿の手”は不思議な力があって、三人の人間の、それぞれ三つの願い事を叶えてくれる。
客人はこれを、戦地で一緒だった人からもらった。というかその人は3つの願いを叶えてから死んでしまった。
身寄りが無かったその人から、自動的に客人の手に渡ったということ。
客人には家族がいたが、彼が望んだ物と引き替えに事故で死んでしまったという。
これは不幸をもたらすから、使ってはいけないのだ・・・そう言って話題を変えようとした。
しかし、お金に困っているホワイト一家はこの猿の手に興味を持った。
客人から猿の手を譲ってもらう。
客人は何度も忠告した。「願い事を言うときは、しっかり考えてからにしなさい。」
金に困っている一家はそれどころではない。
客人が帰ってから、願いが叶うならやっぱ金欲しいよね~なんて雑談しつつ、
そんなうまい話あるわけないじゃん!なんつってとりあえず寝よう。解散

ところが、そんなふざけた話を猿の手は”聞いていた”。

翌日。いきなり大金が舞い込む分けでもない現実に、息子は笑いながら猿の手は嘘だと言った。
息子はそのまま仕事場の工場へ。
その日、なまじ願いが叶うなんて言われた猿の手が気になるホワイト婦人は、やっぱりお金の事が気になっていた。
ホワイト氏も、猿の手は嘘とは思えない。
そんなところに身なりのいい紳士がやってくる。
ホワイト婦人は、もしかしてお金が舞い込んできたのかしら~♪なんてご機嫌で対応。
しかし、その紳士がもたらしたのは彼らの一人息子の訃報だった。
息子(ハーバード)は、今朝工場での機械の巻き込み事故に遭い死んでしまった。
信じられない婦人。
「いやよ!信じられないわ!息子に会わせてください!!」
だけど、彼女のハーバードは機械に巻き込まれて、しかもすぐには救出出来ず、かなり長いことその中にいた。
とてもじゃないけど、見られたものではない。
一人息子の死に打ちのめされている夫婦に、紳士が言った。
お悔やみとして、工場から幾らかお贈りしたいのですが・・・
ホワイト氏ははっとした。
「それは、いくらですか?」(もしや・・・)
その金額は、皮肉にも昨夜一家が望んだ金額と同じだった。

欲しかったお金は望み通り手に入った。
しかし、大切な一人息子を亡くしてしまった。
うちひしがれる婦人。
しかしふいに婦人は閃いた。
「あなた!猿の手よ!あとまだ願いが2つのこっているもの。それでハーバートを呼び戻しましょう!」
婦人の目は明らかにイッチャッテル感じだ。
ホワイト氏は冷静にいう。
「キミ、落ち着きなさい。ハーバードは機械に巻き込まれたんだ。見るに堪えられないぞ。」
「なに言ってるの!わたしは怖くないわ。だってわたしの息子なのよ!」
ズタボロの姿で現れるであろう息子も怖いけど、目を血走らせてわめく妻も怖い。
あぁ、なんで猿の手なんてもらっちゃったんだろう。(←こんな場面はないよ笑)

とりあえず、猿の手に願わないと興奮した妻に殺されそうなので、ホワイト氏息子の復活を願ってみる。
しばらくすると、なんだか変な音がする・・・・ヤバい。
おとはどんどん近づいてくる。妻はそれを迎え入れようとドアへ向かう。
ホワイト氏、とても哀しいけどあるお願いをする。
すると近づいて来ていた音が消えた。
同時に夫人がドアを開けるけど、そこにはただ夜の闇と静寂だけがあった。
そこに夫人のすすり泣きが響いていた・・・。おちまい。

そんな感じの話です。
イヤミスですね。

まず、欲しい物を手にするならなにかそれなりの代償が必要というのが重い。
大金と引き替えに死ぬ息子の死に様も恐ろしい。
確か3000ポンドだったから、今の日本円では1ポンド約136円として、408,000円!
確かにむかーしむかしの話だから、今にしたらうん千万?になるかな。
機械に挟まれて死ぬってやだ。
しかも、”「助けてー」という声を聞いて気づいた”と紳士が言ってたから
即死とは限らないのかも。
それは置いておいて。

家族のために、お金を望んだらそのせいで最愛の息子を死なせてしまった。妻も息子の死がものすごいダメージになっている。
愛する家族を幸せにするどころか、地獄に落としてしまった…
結局、死んだ息子を拒んでしまった結末が1番の悲劇でしょう。

これ、ワタクシも身につまされる。
例えば亡くなった母に会いたい。でも、母が母の形状をしてなかったら?
いざなぎの尊はいざなみの尊を拒んでしまった。
結局、愛って見栄えの問題なのか・・・

あぁ、わからない。
愛していれば例え恐ろしい形状の物体になっていても、その愛情は変わらないのかな。
イエスといえば偽善っぽいし、ノーといえば冷血人間みたいで自己嫌悪だ。

トーリーはきわめてシンプルなのに、問題提起がヘビー級でありました(笑)

この問題はこれから考えていくとして、今は保留で・・・。