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ただ本を読んでいるだけなんです

図書館と活字をこよなく愛する地味主婦の読書メモ

隣人にお気をつけあそばせ

原作小説からの映画の変貌が、もはやクリーピー

クリーピー (光文社文庫)

クリーピー (光文社文庫)

実は先に映画を観てしまいましたー\(>_<)/
そして後悔しますただー(涙)

原作の小説は、第15回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した前川裕さんの初のミステリー作品だそう。
初の作品とは思えないような構成と文章で、ワタクシの中の映画のダメージを払拭すべく一気読みした。

映画はこちら👇👇👇

クリーピー 偽りの隣人[DVD]

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他のレビューでも叫ばれてますが、全く別物です。
原作がよかったって人は、見ない方がよろし😩

小説でのあらすじは、
主人公、犯罪心理学者の高倉(中年男)が帰宅中に職質を受けるところからはじまる。なんでも近所で暴行事件があったそう。
と、まあ最近のご近所付き合いの希薄さを滲ませる感じ。
お隣の西野は、普段は愛想が良いのにたまに別人のような一面を覗かせたりする、なんか気になる人。
そういえば、奥さんがいるって言ってた気がするけど最近見ないな…あれ?高校生の息子の姿も見ないぞ…😲
そんなこといってたら、お向かいの老母と老娘のすむ家から火が出て全焼してしまった。
高倉は救えなかった悲しみでいっぱい。
西野にもその事をいうと、自分等に被害がなくて本当によかったっすね~👍って!
そんな晴れやかにいうかな⁉
じぶんち隣で人が亡くなったってのに😠😠
西野への不信感倍増し。
しかも焼け跡からその家にすむ母娘以外の第3者の遺体がみつかる。オタク誰よ!?
ん?そういえば、火事が起きる前に学友だった刑事の野上が来たんだけどあれから消息がないらしいぞ…。
疑惑が疑惑を呼ぶ、クリーピー(気味の悪い)な出来事が立て続けに高倉の周りでおこる。

さらにある深夜、隣の西野んちの娘ちゃん、澪が高倉家へ必死の形相でやって来て言ったひとことで、高倉はこの不気味な事件に巻き込まれていく。
澪がいう、
『あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です。』😱😱😱💦💦
そして、匿う高倉へ、ドア越しに包丁をちらすかせ
見たこともないような狂暴性を露にする西野。
果たして西野は、何者なのか。本物の西野はいったいどこに?

人間関係の希薄さが、疑念となり疑念は別の形へ変わりながら驚愕の事実へと変貌する。

小説では、人間の心理とか事情みたいなものがかなり丁寧に書かれていて、異常な事件もどこか人間の悲しい性みたいに納得できるとこがあった。
死体については、゛そんなタイムラグあるのに、損傷が激しいからってわからないもの?゛と、疑問点はあったけど、全体から見ればそれほど違和感にはならなかったかな。

問題は映画の方!
まず、中年男の高倉が西島秀俊さん…か。
なんかかっこよすぎない?(笑)
そして、どうしてそうなるのかさっぱりわからないのが、高倉はかつて刑事だったという背景。
かつてなのは、過去に大失敗をやらかしてしまったからで。
それを裏付けるシーンが冒頭にあります。
これがまた意味がわからないうえ、必要とは思えない。
そして、怪しい隣人西野の隣の空き家に越してくるという設定。
西野が怪しいと思われるきっかけになる事件が、゛日野市一家失踪事件゛といってあるんだけど、それを捜査する野上はなんと、東出昌大って若すぎ(笑)
原作では、高倉と同級だから中年オッサンなのに。
そして、小説では、チラッと出の日野市一家で失踪の難を逃れた娘を川口春奈が演じてますが、必要以上の尺をとっている上に曖昧な発言しかしなくて、観ているオバチャンはイライラしてしまう💢

唯一、西野を怪演した香川照之さんと、その娘役(ほんとは違うけど)を演じた藤野涼子は無駄がなくて良かった🙆
藤野涼子宮部みゆきの゛ソロモンの偽証゛の映画化で主人公藤野涼子を演じた新人の女優さん。
垂らした黒髪から覗く怯えた表情と、西野に成り済ます、他人の男の言うままに動く奇行がいい味出してるなと思いました👍👍

全く余談だけど、ワタクシは香川照之さんのEテレでやった゛香川照之の昆虫スゴいぜ゛のファンで、続編とレギュラー化を熱望している。
香川さんが忙しいのか、ロケにお金と時間がかかるのか、一向に2回目をやる様子がないのが寂しい。
MOZUも半沢も見てなかったので、クリーピーな隣人を怪演する香川さんはワタクシの中ではEテレでカマキリの着ぐるみを着ているエキセントリック俳優でしかない。そのギャップもある意味クリーピーに他ならない(笑)

他のレビューででてたけど、映画がここまで原作を無視したものになってるのは、この監督さんが小説から゛北九州監禁殺人事件゛へとインスパイアされたからでは?とワタクシも思いました。

この事件はいまから15年くらいまえに発覚したもので、内容の残忍さから世間で封印されたような事件かもしれない。

とある一家に男が入り込み、互いに仲違いさせ不信感で満たしておきながら、金銭と自由を奪い、しまいには家族間で殺害させたというもの。
映画では、かなりハッキリとその様子が描かれてます。冒頭や川口春奈の独白シーンのイミフを挽回するように、家族間での死体処理のシーンに力が入ってるからきっと原作から一気に゛北九州~事件゛に乗り換えてしまったのだろう😓😓
確かに実際の事件の異常さのが小説を上回ってることもよくあるけど、ちょっと作者に失礼じゃないかい!?

監督は、この作品を通してかつての゛北九州~事件゛で受けた、『家族が殺しあう』という強烈なメッセージを世に送りたかったのかもしれない。

家族なら、なにがあっても守りあうはずー
という、暗黙のきれいごとをあっさり裏切るような恐ろしい一面を、誰しも持ち合わせてるんですよーっと。
大切な家族であっても、いざ自分に苦痛や死の恐怖が迫ったら、簡単に手放せる、あるいは悪魔に差し出すことが起こりうるという警告を発したかったのかもしれない。

いずれにしても、読んだあとも観たあとも、後味は酷く不味かったっす(´д`|||)