ある主婦の徒然草

本と映画が好きな主婦の備忘録

マズいタイプのテープ起こし

そもそもテープ起こしって、なんだか不気味な作業な気がするのはワタクシだけ・・・?

怪談のテープ起こし

怪談のテープ起こし

『黒面の狐』以来二回目登場の、三津田信三さん。

『どこの家にも怖い物はいる』からファンで、でも刀城言耶シリーズは読んでないので
まだファンと言うのはおこがましいか・・・。

ワタクシにとって、いかなるジャンルであっても、テープ起こしってなんだか依頼主との関係が密な気がして、なんだかとってもサスペンス色の濃い作業なイメージがあります。やったことないので勝手な見解ですが・・・。

それが”怪談”となれば、もうなにも起こらないなんてあり得ないっしょ!!

6編の怪談に、幕間として著者と怪談好きな担当編集者とのやりとりが入る。

 

①死人のテープおこし

著者ととあるライターが、死ぬ前の人間がテープに何を遺すのか記事にしようという内容。そのライターは 幾つかのうちとある共通点のある三本を選んで文字におこすのだが…

ライター自身が消え、謎のテープが著者の元に送られてくる。

 

②夜の留守番

一晩、ある館に泊まるだけで高給が貰えるというバイトを受けた女子大生の話。

館までの道すがらなんだか嫌な気配を感じる。しかも館までにある公園で猟奇殺人があったとか😰

真面目な女子大生は、館の住人である夫から3階に伯母が居るので一晩居てくれるだけでいいからーと言われる。

しかし夫が席を外したとたん、今度は妻の方は、伯母はずいぶん前に死んでいると聞かされた。

生きてるの?死んでるの?

決して3階に行かないように言われてるけど、無人のはずの3階からなんか音がするんだけど…。それは恐ろしい夜の始まりだった。

 

③集まった4人

山にまつわる奇談。

来るはずだった山に詳しい友人が来ない。仕方ないから友人の集めた他のメンバー(初対面)で目的の山へ登るのだが…。

一本足の妖怪、その山にあるという、賽の河原、美しい石。主人公はだんだん不吉な違和感に襲われる…。

 

④屍と寝るな

入院中の母親の病室に新たに来た老人が、なんだか不思議な話をする。

見た目は80代なのに、老人の話は少年の物だった。話を聞くうちに女性はだんだん気味のわるい違和感を覚える。

違和感の元を辿ると、恐ろしい真実が…。

 

⑤黄雨女(きうめ)

女性占い師の彼氏の話。

あるときから、雨の日になると全身黄色い雨具の女が現れる。女の顔をうっかり見てしまった彼氏は、それからずっとその黄色い雨具の女につけられてしまう。

気味が悪くなって、避けるようにするがどこからか必ず女が現れるのだ。

ある日、心配した占い師の女が彼氏の家に行くと彼の姿はなく、代わりに彼女宛の長い手紙が残されていた。その内容を読んだ占い師は戦慄する。

 

⑥すれちがうもの

毎日のルーティーンには、洗面や飲食以外に結構ある。

例えば通学通勤途中ですれ違う人びととか…。

もし、そのなかにこの世の者じゃないモノが混ざっていたら…?

 

以上6本の怪談の間に、著者の担当編集者時任とのやりとりが組み込まれている。怪談好きな彼女は著者の素材さがしの手伝いにと怪談のテープおこしに積極的に関わるが、次第に魅せられるようにのめり込んで行き、自身も怪現象を体験する。著者の制止を振りきってしまったこの女性編集者の末路もまた気になるところ…。

 

全体的に纏まった怪談ミステリー。

各章で、題名と関係ない話もでてきたりするから、怪体験談が好きな人には回りくどく感じるかもしれないけど。

 

個人的に④の『屍とねるな』が印象的だった。理由は、自分も近い経験をしたことがあって。

もちろん怪異じゃなくて、入院中の老人の慰問したときに、老婆の幼少時代の話を永遠と聞かされたのね。

話はあるところまで行くと、必ず冒頭部分にリピートしていく。もう痴ほう症状が出ているから仕方ないんだけど、聞く方は結構ツラい(´д`|||)

でも、不思議なことにその老婆の声を聞いているうちになんだか脳裏で、ものすごく鮮明に映像化してたきがするんだよね。まるで、話している老婆とタイムトリップしたみたいに…。

そういう意味では、不思議体験だったかも(笑)

 

怖がらせようとして、というより゛こんな現象ありましたけどあなたならどう思う?゛的な進め方をしているのでものすごーく怖いやつをガンガンじゃないです。

でも、丁寧な語り口が反ってじんわり恐怖心を煽るーワタクシの感想はそんなところです。

 

時任女史のトイレにまつわる怪談が出てくると、なんだかワタクシまで影響されて、ステンレスペーパーホルダーの何処かにナニかがうつり込んでいるんじゃないかと、ちょっぴりビビり気味だったりして(T_T)

 

この本の最後にも書かれているけど、怪談は怪異を引き起こすとも言われてます。

この手の本を読むときは、その点覚悟の上自己責任で……。