読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ある主婦の徒然草

図書館大好き主婦の読書メモと日々の記録

ヤドカミ様、願いを叶えてください…

ぜーんぶ自分に返ってくるんだ…。

月と蟹

月と蟹

好きな作家さんを挙げてくださいーと言われたら、まず一番最初に叫びます、道尾秀介さん!!

ミステリーが正確にカテゴライズされているかわからないけど、わたくしが考えるのは
『ヒューマン・ミステリー』というカテゴリー。
謎って、それこそ星のかずだけあると思います。
ジャンルもいろいろ。
でも人間の業による謎がオーソドックスではないでしょうか。
すべての謎は人から生まれる、ノーヒューマン・ノーミステリー(?)。
人間あってこその「姉さん、事件です!」なんだけど、道尾さんの謎はとにかく人のデリケートな部分をこれでもかって掘り下げて、世間(小説上)に晒しているように感じます。

いつも道尾作品を読むたびに、わたくしの心の敏感な場所をグリグリ刺激されているようなんです。

この『月と蟹』も、とても静かなミステリーなんです。登場人物の実際の動き的にはね。
派手なことは起こらないし。
でも、日常にひそむ歪みを書かせたら道尾さんはピカイチなんじゃないかと☝✨
題材も、「子ども達がヤドカリを火で炙って、願い事をする」話で暗くても決して華やかな話じゃないですよね。なのに直木賞をとっている😏👏
それは、人間の心というものをとにかく細かく分解して、読者が登場人物のどんな些細な感情にも生々しく追体験 できる作りになっているんじゃないかな…と。

父を亡くして母親と祖父の三人暮らしの慎一と、虐待を受けている春也、母親を慎一の祖父の過失から失った鳴海。みんな小さな体に抱えきれないほどの歪な不安、恐れを秘めている。
もてあまして、行き場を失った歪んだ願いをかなえるため、神に見立ててヤドカリを焼くしかなかったのだとしたら、なんとせつない悪戯なんだろう…。

そしてもしこの世が、慎一の祖父昭三の言うように因果応報でできているとしたら、そんな過酷な人生は辛すぎる…。

なまけ者でぐうたらなわたくしにとって人生は、
完璧な平等さも無ければ明確な因果応報もないー。わかりやすい妥当もなければ明らかな理不尽さもまたないんじゃないかなぁ、と思います。
好い人、正しい人は良いことしか起こらず、安らかな最期が必ず保障されている?
悪い人には絶対罰がくだる?
現実はそう単純じゃないですね😔
なぜそんなに、鼻息荒くして語るのかって?
だって!
そうじゃないと、このわたくしの惰性を正当化できませんからっ😤