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ただ本を読んでいるだけなんです

図書館と活字をこよなく愛する地味主婦の読書メモ

物理君、その直感良い線いってるで!

重苦しい雰囲気の奥にひそむものーそれは…

黒面の狐

黒面の狐


わたくしの大好物のひとつであります、暗~くどんよ~りした空気漂う民俗学系ミステリー(ホラー要素あり)(☆∀☆)
もう大好き超えの垂涎もの。よだレイク(゜ρ゜)

民俗学ミステリーにはまったきっかけは、北森鴻さんの蓮仗那智フィールドワークシリーズからでした。北森さんが惜しくも亡くなられてしまったので、北森ワールド前回な作品は邪馬台で終了かと思われましたが…(ガクッ涙)

横道にそれてしまいました(汗)
今回の本作は、三津田さんの刀城言耶シリーズにかなりテイストが似ているとのこと。
恥ずかしながらまだシリーズが未読なんです。

舞台は戦後の北九州にある、とある炭坑所。
主人公物理(ぶつりじゃないよ、もとろい)が、あてもなく乗っていた汽車から導かれるように降り立つところから始まります。
駅前では、炭坑夫へのスカウトマンならぬ、スカウト野郎が目をギラつかせて疲れたカモを狙っております。
炭坑会社も良し悪しがあり、良いところなら安全対策も保障もきちんとしてるらしいのですが、悪いところにあたると、それはもう地獄だそうで。

炭坑の仕事なんて、ただでさえキツくつらいのに、待遇までわるいなんてあり得ませんよね。
でも戦争前後では日本を支える大切な労働力だった彼らは(彼女らもいた)、大切にされるどころか使い捨てのような扱いだったんです…

この作品についてのインタビューの中で、確か三津田さんは海外ミステリーと日本のミステリーの違いの事をいってました。
海外のミステリーは事件のトリックや伏線よりも、登場人物の物語に重点を置いているものが多い。一方で日本のものはトリックなんかに重きが置かれているー。たしかにミステリーのジャンル分けも細かいかも?本格ミステリーとか社会派ミステリーとか…

もちろんこの作品にも、ホラー要素があるし、伏線がきちんと張られてるからミステリー臭もちゃんとします。
でも、炭坑夫達の物語こそが一番悲惨で怖かった‼
光の届かない、閉鎖空間に現れる得たいの知れないナニかも十分こわい。
でも、自分と同じ人間にあれほどの酷い仕打ちが出来てしまう人間の恐ろしさの方が、圧倒的に胸くそ悪くないか!?
まるでものすごくヤバそうな工場横のものすごい色したヘドロを飲み込んでしまったような、気持ちの悪さに苛まれた読了後。

ホラー要素としては、炭鉱の深い闇と重ぐるしい感じ(空気薄いから?)と其処此処に巡らされた穴で人が消という言い伝えがよいスパイスとなってます。炭坑夫を連れ去っていく異形のモノとは・・・ん~ミステリ。。
物理くんは、けっこう初っぱなからこの炭坑所に漂うイヤーな雰囲気を察知してます。ムシの知らせ的な・・・。
そうゆう、人間の第六感は、得てして理性や論理よりも正しかったりするんですよね。
私たちも、普段はなるべく冷静に、論路的にーと動いて居ても、いざ大切な事を決めたりするときなんかは意外と直感に頼ったりしませんか?


物理くんという、ひたむきで純粋なかしこ君が居なければとても読み続けられなかった(笑)
ちなみにイケメンだそうです✨

盛り上がりに欠けるとか、肩すかしくったというコメントも見かけましたが、
わたくしはイケメンかしこ君活躍、第二弾カモンであります!!